はてなブログはSEOに強いのか?
言い換えると、はてなブログでGoogle検索の上位は獲れるのか?
まず、結論からいうと、はてなブログのSEOは弱くなってきています。筆者は7年はてなブログを運営していますが、SEO集客が難しくなっていると体感しているからです。
はてなブログ自体のドメインパワーと,個々のブロガーのSEO対策はまったく別!
はてなブログ本体のドメインパワー(※Webサイトの信頼度を表す指標)は、かなり高いです。
下図は、計測ツールUbersuggest(ウーバーサジェスト)で調べたはてなブログ公式のドメインパワーです。88点/100点満点と、高い数値が出ています(2024年5月調べ)。
しかし、大元のドメイン評価が高いことと、その配下で運営している個々のブログの検索順位とは、切り離して考えねばなりません。
はてなブログには、
- はてなグループ(=同じ趣味のブログ運営者が、交流できるツール)
- はてなブックマーク(=気に入った記事を、オンライン上で共有できる)
- きょうのはてなブログ(=編集部が選んだ記事が、はてなのトップページに掲載される)
- はてなブログタグ(=タグを通して、同じ話題をあつかった記事にアクセスできる)
といったブログ記事を拡散してもらえるツールがあります。
しかし、基本的にこれらのサービスは「“はてなブログ内で露出を増やす”ためのツール」です。
はてな運営者の目には止まりますが、一般の検索ユーザーに周知させるほどの拡散力はないのです
この記事を書いたのは、こんな人
筆者ははてなブログ歴7年、WordPress歴6年の副業ブロガーです。
2024年4月現在も、はてなブログProを2つ、WordPressブログを2つ運営しています。
はてなブログでSEO集客するのがどれだけ難しいか、私ほど体験している人もいないでしょう
【はてな歴7年が語る体験談】MFIへの対応が遅れ、はてなブログのSEOは弱くなった
モバイルファーストへの対応が遅れ、「はてなブログ不利」「WordPress有利」の流れは加速!
筆者がはてなブログでの集客が難しいと感じるようになったのは、Googleが「モバイル・ファースト・インデックス」(MFI)を提唱するようになってからです。
「モバイル・ファースト・インデックス」とは、これまでPCページを基準に検索順位を決めていたものから、スマートフォンのページを基準に検索順位を決定するようにルール変更があったことを指します。
さらに決定的だったのは、表示速度が検索順位のランキング要因に加わったこと。
2021年6月から導入された「コア・ウェブ・バイタル」(Core Web Vitals)と呼ばれる指標で、ページの読み込み速度や応答速度が速いほうが、検索ランキングで優遇されるようになったのです。
2020年から2021年にかけて、情報感度の高いはてなユーザーは危機感をもち、次々とWordPressへと移行してゆきました。
筆者ははてなブログに愛着があったのではてなに留まり、できる限り「表示速度」対策をしました。こんな記事を書いたのも、はてなユーザーに警鐘を鳴らすためです。
ワードプレスは「オープンソース」(Open Source)といって、システムの設計図となるソースコードを全世界に公開しています。このため、GoogleやBingといった検索エンジンが方針転換しても、いち早く対応できます。
これに対してはてなブログにおける技術革新は、はてなの開発チームの対応待ちになります。必要な対応は取ってくれますが、それが後手に回ることも少なくありません。
ちょっとの差が検索順位を分けるSEOでは、開発の遅れはデメリットになります
はてなブックマークの被リンク効果がなくなった?
ブログ界隈で有名なヒトデさんたちが、はてなブロガーだった頃。「はてなブックマーク」には被リンク効果があり、Google検索上位にはてなブログが進出することも珍しくありませんでした。
ところが、はてなユーザー同士が「はてなブックマーク」をつけ合う“互助会”が、問題となります。自分の記事の検索順位を上げるため、ブログ仲間と示し合わせて相互にブックマークし合う行為が「スパム行為では?」と、物議を醸したのです。
はてなの運営サイドは、はてなブックマークに「rel=”nofollow”」タグを付与しました。ざっくりいうと、はてなブックマークが付いても、検索順位を上げるようなSEO効果はなくなった、という意味です。
リンクをもらうこと(=被リンク)と、リンクにSEO効果があることとは、意味が違います
「被リンク」は、ドメイン評価が高いサイトから自発的に貼られたリンクほど、SEOに好影響を与えます。
【SEOに不利な戦いを強いられる】クオリティの低いWordPressブログやパクリ記事が検索上位へ!
SEOでは、「ドメイン運用歴の長さ」も評価ポイントになる、と言われています。筆者がはてなブログを開設したのは、2018年の2月。しかし、2020年頃から、筆者のはてなブログより後に作られたブログに、検索順位で抜かされることが増えました。
いずれも「THE THOR」(ザ・トール)や「SWELL」(スウェル)など、SEO対策が講じられた有料テーマで作られたWordPressブログばかりです。
たとえ記事のクオリティが低くても、スペックの高いWordpressブログが検索上位を占めるようになってきました
2024年3月には、はてなブログで書いた筆者の記事を丸パクリしたWordPress記事が検索1位になっており、
はてなブログでSEOを戦うには、さすがに厳しくなってきた
と、実感したばかりです。
アフィリエイトならWordpress一択、アドセンス初心者ならはてなブログもあり
ただし、筆者は「ブログをやるならWordPress一択」という立場は取りません。
はてなブログには、「パソコンも苦手」「SEO対策は勉強していない」という運営者もたくさんいます。SEOの知識がないはてなユーザーがWordPressに移行しても、集客に苦しむことは目に見えています。
アフィリエイトで収益化をめざすならWordPress一択!はてなでは「表示速度の遅さ」が足を引っ張る
アフィリエイトは、「アフィリエイトリンクをクリック ⇨ 商品やサービスに申し込んでもらう ⇨ 広告主が承認する」という流れで、報酬が発生します。
最初のハードルとなるのは、アフィリエイトリンクをたどって広告主のLPにアクセスしてもらうこと。
このとき、元ページの表示速度が遅いと、読者が広告主のLP(ランディングページ)に移動する途中で離脱してしまいます。ページの読み込みに時間がかかりすぎると、読者は不安になってしまうからです。
下図は、アフィリエイトリンクを貼ったはてなブログの記事ページの表示速度。計測ツール「PageSpeed Insights」で測ったモバイルの表示速度です。
51点/100点満点。
これでも、限界ギリギリまで表示速度を抑える施策をとっています。普通のはてなブログだと、スコアが20点/100点を下回ってもおかしくありません。
対して、WordPressでアフィリエイトリンクを貼ったページの表示速度。
モバイルスコアは、84点/100点です。
このWordPressブログは、レンタルサーバーは「エックスサーバー」で「XWRITE」(エックスライト)という有料テーマを使っています。もう少し細かい対策をすれば、90点以上のスコアも出せるでしょう。
2017年のGoogleの調査によれば、「サイトの読み込みに3秒以上かかると、ユーザーの40%は離れてゆく」という統計が出ています。
はてなブログでも、WordPressブログよりクオリティの高い記事を書ければ、検索上位は狙えます。
しかし、検索上位を獲ることと、そのページからアフィリエイトの申し込みが発生することとは、話が別なのです
表示速度の遅さは、アフィリエイトにおいて致命的な欠陥となります。
パソコン初心者や少しずつスキルアップしたい人は、はてなでアドセンスブログから始めるのもあり
ただし、多くのWordPress運営者が「ブログを始めるならワードプレス一択」というのは、ポジション・トークだと思っています。
2024年5月現在、Google検索は企業サイトや公式サイトが圧倒的に有利です。個人ブログは冷遇されており、Wordpressを運用しているブログ系インフルエンサーも、実はアクセスを落としています。
インフルエンサーは自分に不利な情報は公開しません。しかし、ツールで調べれば60~70%もアクセスが激減している人が大半です
筆者のメインブログも、アクセスベースでいうと30%ダウンしています。
これだけ個人ブログに厳しい状況ですので、初心者でも読まれやすいはてなブログから始めるのも、ひとつの方法です。
Googleアドセンス広告は、2024年に大きな仕様の変更がありました。
「クリック単価 ⇨ インプレッション単価」
すなわち、広告がクリックされて初めて収益が入る仕組みから、広告が表示されるだけで収益が発生する仕組みへと変わったのです。
このシステム変更により、月1,000円~2,000円程度のお小遣い稼ぎという意味では、はてなブログのほうがハードルが低くなっています。ブログ開設初期でも「はてなグループ」から集客できるはてなと違い、WordPressは集客できるまでに半年ほどかかるからです。
ただし、月の収益30,000円以上をいち早く達成したいなら、WordPressのほうがお勧めです
はてなブログでは他のブロガーさんと交流し、人柄や個性に触れる機会があります。楽しみながらブログを書きたい人は、はてなブログのほうが向いているでしょう。
その一方で、副業として成り立つレベルの収益を得たいなら、結局は難しいことを覚えて、スキルを習得しなければなりません。「絶対にブログで収益化する!」という強い意志を持っているなら、初めから厳しい環境(=WordPress)に身を置いたほうが、結果は早く出ます。
関連記事
筆者ははてなブログ歴7年で、今もはてなブログに愛着があります。目的や運営方針によって向き不向きはありますので、ブログサービスを選ぶヒントにしていただければ幸いです。
・【結論】はてなブログかワードプレス,どっちがおすすめ?メリット&デメリットを徹底比較!