「はてなブログとWordPress(ワードプレス)、ブログを始めるならどっちがいいか?」
この手の比較記事は、インターネット上でたくさん見つかります。しかし、気になるのは情報を発信している人が
- はてなブログからワードプレスに移行して、ずいぶん経っている人
- ワードプレスの運営経験しかない人
どちらかだったりします。
はてなブログを現在進行形で運営してない人が、はてなブログのことを語れるの?
と、疑問を持つ人もいるはず。はてなブログだって進化しています。
ブログ歴7年の福造です。
はてなブログ7年、ワードプレス6年。これまで、7つのブログを作ってきました。2024年現在も、はてなブログProとWordPress、どちらも現役バリバリで運営しています
私がはてなブログを開設したのは2018年2月ですが、6年のあいだに大きな変化もありました。以下は、はてなブログの変革を時系列にまとめたものです。
- 2019年10月から「はてなブログ個人営利利用ガイド」が新設され、限定的だったアフィリエイトが“大幅に”解禁された(※ 全面解禁ではない)
- 2023年6月から「codoc」(コードク)と連携させることで、記事の有料販売が可能になった
- 2023年12月からAIに記事タイトルを考えてもらう、「「AIタイトルアシスト」機能」が使えるようになった
特に、2と3は、WordPressにないはてなブログ独自の試みですので、ここを無視して優劣を決めることはできません。
はてなブログかWordPress、どちらか一方しか運営していない人が、「ブログを始めるならWordPress一択!」と主張するのは不公平ですよね。
下の画像は、私が運営するはてなブログの管理画面です(このブログはワードプレス)。
はてなブログとワードプレス、どちらにも愛着がある立場から、メリットとデメリットを語ってゆきます。
まず、結論からお伝えします。
- 難しいこともググって、自分で解決できる。ブログで月3万円以上の収益を得たい ⇨ 「ワードプレス」
- 収益化したいけれど、いきなりワードプレスは難しそう ⇨ 「はてなブログPro」
- 収益には興味がない。趣味や日々に感じたことをブログで発信して、ブロガーさんとの交流も楽しみたいな ⇨ 「はてなブログ無料」
エックスサーバーのクイックスタートを使えば、初心者でもすぐにWordPressブログを立ち上げられます。以下の記事で、くわしく解説しています。
【徹底比較】はてなブログとワードプレス、どっちがいい?
はてなブログには、「はてなブログ無料版」と独自ドメインを設定できる有料の「はてなブログPro」があります。
はてなブログ(無料版) | はてなブログPro(有料版) | ワードプレス | |
---|---|---|---|
費用 | 無料 | 有料 (はてなPro代+ドメイン代で、800円/月ほど) | 有料 (サーバー代+ドメイン代で、1,200円/月ほど) |
デザイン性 | まずまず | まずまず | ◎ |
カスタマイズ性 | △ | △ | ◎ |
初期設定 | かんたん | ふつう | 難しい |
独自ドメイン | ✕ | 〇 | 〇 |
記事の書きやすさ | 書きやすい | 書きやすい | テーマによるが、慣れるまで時間がかかる |
記事の装飾 | CSSの知識が必要 | CSSの知識が必要 | 操作を覚えれば「ワンタッチ」 |
初期のアクセス | 来やすい | 来やすい | ほぼなし |
収益化 | かなり難しい | 難しい | ◎ |
ランニングコスト(維持費用)でいうと、「はてなブログPro」と「ワードプレス」はそこまで変わりません。運営費は、どっちも月800円~1,200円ほどです。
ただし、ワードプレスの場合、「有料テーマ」か「無料テーマ」かで初期費用が変わってきます。
人気の有料テーマだと、多い価格帯は11,000円~18,000円前後。有料テーマは基本は“買い切り”ですので、開設時にだけかかる初期費用となります。
Cocoon(コクーン)などの無料テーマを使えば、初期費用はサーバー代とドメイン代だけに抑えられます。
>> 初心者向けWordPressテーマの選び方【有料5選+無料2選】
初期費用を考えると、コスト面では「はてなブログのほうが安いね
初期費用を抑えたいなら「はてなブログ」、デザインのキレイなブログにしたかったら「ワードプレス」ですね
【2024年3月】はてなブログとワードプレスの違いとは?【雰囲気や運用面】
はてなブログとワードプレス。
どちらも運営している立場からすると、同じブログサービスなのに雰囲気はだいぶ違います。
- はてなブログ・・・かんたんに始められ、記事を書くことに集中できる。運営者同士の交流もさかん。
- ワードプレス・・・デザイン性の高いブログを作れるが、覚えることが多い。最初は孤独
「はてなブログ」と「ワードプレス」の大きな違い①は、コミュニティの存在です。はてなには、運営者どうしが交流を楽しめるツールが充実しています
これに対してWordPressは、アフィリエイトなど“ビジネス目的”に多く使われます。コミュニティはないに等しいので、ブログ仲間とつながりたい場合はSNSを活用する必要があります。
(※ WordPressにも“形式上”はコミュニティがありますが、ほとんどの人は利用していません)
「はてなブログ」と「ワードプレス」の大きな違い②は、とっつきやすさ。「はてなブログ」は面倒なことは運営サイドがやってくれますので、セキュリティ対策や機能面のアップデートを自分でやる必要はありません
あれれ? 費用面もとっつきやすさも、むしろ「はてなブログ一択」じゃないの?
好きなことを好きなように発信したい!
だったら、「はてなブログ一択」です。わざわざクソ面倒(失礼!)なWordPressを薦める理由はありません。
しかし、ブログ運営の目的が「収益化」なら、話は大きく変わってきます。
はてなブログのメリデメ
- 設定が楽で、すぐブログ記事が書ける
- 「はてなグループ」を通じてアクセスがくるので、初心者でも挫折しにくい
- 同じ趣味をもった人とつながりやすい
はてなブログ無料版は、ホントに「無料」で始められます。稼ぐことが目的ではなく、“趣味や日々感じたことを好きなように書きたい”なら、はてなブログはおすすめです。ブロガー同士の交流も活発なので、ネットを通してのコミュニケーションが苦にならない人には向いています。
- デザイン性とカスタマイズに限界がある
- 表示速度が遅い(=検索順位が上がりにくい)
- コミュニティとの距離の取り方が難しく、収益面で大きな“デメリット”になる場合がある
デメリットがあるとしたら、収益面を考えたとき。
わかんない。ブロガーさんが活発なら、たくさんの人に読まれるでしょ? どうして、デメリットになるのよ!
“本当に情報を必要としている人”とは、「疑問を解消したくて、みずから調べる人」。つまり、GoogleやSNSの検索機能を利用する一般の人(=検索ユーザー)を指します。
どうして、「ブログ運営者≠本当に情報を必要としている人」なのか?
なぜなら、情報の価値は人によって違うからです。
あなたの書く記事に、強く興味がある人に読んでもらえないと、商品やサービスの購入にはつながりません。広告のクリックにはつながりません。
もちろん、ブログ仲間に読んでもらえるのも嬉しいです。
しかし、野球ブログを運営するなら、野球に心から興味がある人に読んでもらえないと収益化できません
“野球に心から興味がある人”とは、みずから野球のことを調べる人(=検索ユーザー)です。
検索ユーザーにブログに訪問してもらうためには、
- SEOやSNSマーケティングの知識
- 発信するジャンルや、ブログで紹介する商品・サービスの専門知識
- 難しいことでもわかりやすく伝える文章力
- 「売る」ためのセールス・ライティング
- 離脱率を防ぐ、「記事の装飾」(※ ふき出し、画像、囲み枠、表、グラフなどテキスト以外の要素を入れ、読者を飽きさせないようにする技術)
といったスキルが必要です。
つまり、ブログを収益化しようと思ったら、「勉強」が必要なのです。
それも、受験勉強や資格の勉強とは比較にならないほど、「とてつもない勉強量」が必要です
ところが、はてなブログでは勉強しなくても、誰かに読んでもらえます。
はてなブログには、「はてなスター」という、他のブロガーさんに“いいね”の気持ちを伝えるツールがあります。記事を書いたら即ホメてもらえる「はてなスター」のおかげで、初心者でもブログを続けやすいです。
ところが、「はてなスター」に依存しすぎると、いつまで経ってもお金を稼ぐスキルが身に付かなくなってしまいます
「何を書いても読んでもらえる」という状態が続けば、人は勉強しなくなります。この点が、“勉強しなければ誰にも読んでもらえない”ワードプレスとの大きな差です。
ワードプレスのメリデメ
- 収益化に向いている
- 表示速度が速い(=高速のレンタルサーバーと契約した場合)
- デザイン性&カスタマイズ性にすぐれる
ワードプレスの大きな魅力は、“自由度の高さ”です。CSSやPHPの知識があるなら、思いのままのデザインにできます。ブログだけでなく、企業のオウンドメディアやネットショップなども作ることができます。
ときどき、お金かけてそうなサイトが個人ブログでビックリするけど・・・ワードプレスって、高級なデザインのブログを作れるんでしょ?
「カッコよさ」「かわいらしさ」にこだわるなら、絶対ワードプレス!
また、記事の装飾(※)がワンタッチでできるため、長文のセールス記事も書きやすいです。このため、長期的にみれば、収益化しやすくなります。
(※ たとえば、⇩のような「囲み枠」も「ふき出し」も、ワードプレスなら5秒もあれば作れます)
- 記事を書き出すまでの初期設定が難しい
- セキュリティ対策、アップデートへの対応など、記事を書く以外にやることがある
- SEOを勉強するか、SNSを使いこなせないと、最初はアクセスがない
ワードプレスの難点を挙げるなら、開設初期はアクセスがないこと、設定面の難しさです
ワードプレスは自由度が高い反面、セキュリティやアップデートなど設定が面倒なことが多いです。パソコンが苦手な人だと、Wordpressブログを開設するだけど1ヶ月かかる人も珍しくないです。
パソコンが苦手な人、わからないことをググって解決できない人には、正直ワードプレスは薦めません。おそらく挫折します
どうしよう。ブログで収益化したいし、勉強だってやる気はある。でも、ワードプレスは難しそうだから、自信ないな
ある程度ググって解決できる人だったら、おすすめの方法があります。
それは、「SWELL」(有料テーマ)や「Cocoon」(無料テーマ)といった人気テーマを使って、WordPressを始めることです。利用者が多いテーマであれば、わからないことをググって解決しやすいからです。
エックスサーバーの「クイックスタート」を利用すると、WordPressを簡単に開設できます。しかも、初めから「SWELL」や「Cocoon」といった2大人気テーマをインストールした状態で始めることもできます。
(※ もちろん、それ以外のテーマを選択可能)
はてなブログが向いている人
はてなブログ歴7年の筆者からみた、はてなブログに向いている人です。
- すぐにブログを開設したい
- ブログ仲間とつながりたい
- 「稼ぐ」ことが目的ではない
- ワードプレスは難しそう
いわゆる昔ながらのブログ。日々の生活で感じたことを書く、趣味について好きなことを書く・・・
こういったブログを運営したいなら、はてなブログのほうがおすすめです。
パソコンは苦手。記事を書いたらすぐ反応が欲しい、という人ははてなブログのほうが向いています
はてなブログで収益化したい場合は、「無料版」と「はてなPro」どっちがいいの?
その場合は、「はてなブログPro」を選んでください。「無料版」では、本文の下にはてな側のアドセンス広告が貼られます。
実は、アドセンス広告は、とても重いんです。
アドセンス広告だらけのはてなブログ、見たことはありませんか?
ひとつのページにアドセンス広告を貼るなら、3つまで。あまりに広告を貼りすぎると、表示速度が下がります。
検索エンジンのAI
表示速度が遅いブログは、マイナス評価しちゃうぞ!
表示速度が下がる ⇨ 検索順位が上がらない ⇨ アクセスが集まらない ⇨ 収益化できない
少しでも収益化を考えているなら、「はてなブログPro」と契約してください。
はてな無料版で収益化をめざすのは、「重い亀の甲羅を背負って、天下一武道会に出る」ようなものです。それぐらい、ハンデがあります。
ワードプレスが向いている人
ワードプレス歴6年の筆者からみた、ワードプレスに向いている人です。
- 本気で収益化したい
- 副業ブログを運営したい
- 自分好みにカスタマイズしたい
ワードプレスはアクセスが来るまでは、我慢が必要です。SEOやライティングを勉強しないと、なかなか読まれません。ただし、勉強してお金を稼げるスキルが身に付いてくると、はてなより大きく収益化できます。
私だって、初心者の頃は日記みたいな記事を書いてました。スキルは、これから育てていけばいいのです
まとめ【はてなブログとワードプレス、どっちがいい?】
端的にまとめます。
- 難しいことも勉強する気がある。ブログで月3万円以上の収益を得たい ⇨ ワードプレス
- 収益化はしたいけれど、いきなりワードプレスは難しそう ⇨ はてなブログPro
- 収益には興味ない。好きなことを好きなように発信したい ⇨ はてなブログ無料
ブログを楽しむならはてなブログ、「ビジネス」に振り切るならワードプレス
どっちにも一長一短あります。ブログはさわって覚えることも多いので、まずは一歩踏み出してください。はてなとワードプレスどっちも運用し、連携する方法もあります。
>> はてなブログからワードプレス,移行より連携をおすすめする3つの理由
1年後、2年後・・・「ブログを始めてよかった!」と思ってもらえたら、嬉しいです。