はてなブログはSEOに強いのか?
言い換えると、はてなブログでGoogle検索の上位は獲れるのか?
まず、結論からいうと、はてなブログのSEOは弱くなってきています。筆者ははてなブログを運営して7年目になりますが、SEO集客が難しくなってきたと体感しているからです。
はてなブログ自体のドメインパワーと,個々のブロガーのSEO対策はまったく別!
はてなブログ本体のドメインパワー(※Webサイトの信頼度を表す指標)は、かなり高いです。
下図は、計測ツールUbersuggest(ウーバーサジェスト)で調べたはてなブログ公式のドメインパワーです。88点/100点満点と、高い数値が出ています(2024年5月調べ)。
しかし、大元のドメイン評価が高いことと、その配下で運営している個々のブログの検索順位とは、切り離して考えねばなりません。
はてなブログには、
- はてなグループ(=同じ趣味のブログ運営者が、交流できるツール)
- はてなブックマーク(=気に入った記事を、オンライン上で共有できる)
- きょうのはてなブログ(=編集部が選んだ記事が、はてなのトップページに掲載される)
- はてなブログタグ(=タグを通して、同じ話題をあつかった記事にアクセスできる)
といったブログ記事を拡散してもらえるツールがあります。
しかし、基本的にこれらのサービスは「“はてなブログ内で露出を増やす”ためのツール」です。
はてな運営者の目には止まりますが、一般の検索ユーザーに周知させるほどの拡散力はないのです
この記事を書いたのは、こんな人
筆者ははてなブログ歴7年、WordPress歴6年の副業ブロガーです。
2024年8月現在も、はてなブログProを2つ、WordPressブログを2つ運営しています。
しかし、はてなブログの収益は半減しました。はてなでSEO集客するのは、難しくなってきています
【はてな歴7年が語る体験談】MFIへの対応が遅れ、はてなブログのSEOは弱くなった
モバイルファーストへの対応が遅れ、「はてなブログ不利」「WordPress有利」の流れは加速!
筆者がはてなブログでの集客が難しいと感じるようになったのは、Googleが「モバイル・ファースト・インデックス」(MFI)を提唱するようになってからです(2019年ごろから順次導入)。
「モバイル・ファースト・インデックス」とは、これまでPCページを基準に検索順位を決めていたものから、スマートフォンのページを基準にするようにルール変更があったことを指します。
さらに決定的だったのは、表示速度が検索順位のランキング要因に加わったことです。
2021年6月から導入された「コア・ウェブ・バイタル」(Core Web Vitals)と呼ばれる指標で、ページの読み込み速度や応答速度が速いほうが、検索ランキングで優遇されるようになったのです。
はてなブログは、自前でレンタルサーバーと契約するWordPressとは比較にならないほど表示速度が遅いです。
2020年から2021年にかけて、危機感を持ったはてなユーザーは次から次へとWordPressへ移行してゆきました。
筆者は愛着があったのではてなブログに留まり、できる限り「表示速度」対策をしました。こんな記事を書いたのも、はてなユーザーに警鐘を鳴らすためです。
表示速度を気にするのは、SEO集客するうえで重要です。しかし、一般のはてなユーザーはほとんど危機感を持っていません
ワードプレスは「オープンソース」(Open Source)といって、システムの設計図となるソースコードを全世界に公開しています。このため、GoogleやBingといった検索エンジンが方針転換しても、いち早く対応できます。みんな(おもにテーマ開発者)が知恵を絞って、対応策を考えてくれるからです。
これに対してはてなブログにおける技術革新は、はてなの開発チームの対応待ちになります。
- モバイルファーストへの対応の遅れ
- ads.txt ファイルの問題(=Googleアドセンスで指摘される)
- 構造化データへの対応が限定的
WordPressに対して、明らかに後手をとることが増えてきました。
わずかの差が検索順位を分けるSEOでは、開発の遅れはデメリットになります
はてなブックマークの被リンク効果がなくなった?
ブログ界隈で有名なヒトデさんが、はてなブロガーだった頃。「はてなブックマーク」には被リンク効果があり、検索上位にはてなブログが進出することも珍しくありませんでした。
ところが、はてなユーザー同士が「はてなブックマーク」をつけ合う“互助会”が、問題となります。検索順位を上げるため、ブログ仲間と示し合わせて相互にブックマークし合う行為が「スパム行為では?」と、物議を醸したのです。
はてなの運営サイドは、はてなブックマークに「rel=”nofollow”」タグを付与しました。ざっくりいうと、はてなブックマークが付いても、検索順位を上げるようなSEO効果はなくなったのです。
リンクをもらうこと(=被リンク)と、リンク自体にSEO効果があることとは、意味が違います
「被リンク」は、ドメイン評価が高いサイトから自発的に貼られたリンクほど、SEOに好影響を与えます。
【SEOで不利な戦いを強いられる】クオリティの低いWordPressブログやパクリ記事が検索上位へ!
SEOでは、「ドメイン運用歴の長さ」も評価ポイントになる、と言われています。
筆者がはてなブログを開設したのは、2018年の2月。しかし、2020年頃から、筆者のブログより後に作られたブWordpressブログに、検索順位で抜かされることが増えました。
いずれも「【THE THOR(ザ・トール)】」や「SWELL」(スウェル)など、SEO対策にすぐれた有料テーマで構築されたWordPressブログばかりです。
記事のクオリティが同じでも、スペックの高いWordpressブログが検索上位を占めるようになってきました
2024年3月には、はてなで書いた筆者の記事を丸パクリしたWordPress記事が検索1位になっており、
はてなブログでSEOを戦うには、さすがに厳しくなってきた
と、実感したばかりです。
アフィリエイトならWordpress一択、アドセンス初心者ならはてなブログもあり
ただし、WordPressだから集客できる訳ではありません。企業サイトが検索ページを独占している2024年現在、目的に合わせてブログサービスを選ぶ必要があります。
アフィリエイトで収益化をめざすならWordPress一択!はてなでは「表示速度の遅さ」が足を引っ張る
アフィリエイトは、「アフィリエイトリンクをクリック ⇨ 商品やサービスに申し込んでもらう ⇨ 広告主が承認する」という流れで、報酬が発生します。
最初のハードルとなるのは、アフィリエイトリンクをたどって広告主のLPにアクセスしてもらうこと。
このとき、元ページの表示速度が遅いと、読者が広告主のLP(ランディングページ)に移動する途中で離脱してしまいます。ページの読み込みに時間がかかりすぎると、読者は不安になってしまうからです。
下図は、アフィリエイトリンクを貼ったはてなブログの記事ページの表示速度。計測ツール「PageSpeed Insights」で測ったモバイルの表示速度です。
51点/100点満点。
これでも、限界ギリギリまで表示速度を抑える施策をとっています。普通のはてなブログだと、スコアが20点/100点を下回ってもおかしくありません。
対して、WordPressでアフィリエイトリンクを貼ったページの表示速度。
モバイルスコアは、84点/100点です。
このWordPressブログは、レンタルサーバーは「エックスサーバー 」で「XWRITE」(エックスライト)という有料テーマを使っています。もう少し細かい対策をすれば、90点以上のスコアも出せるでしょう。
2017年のGoogleの調査によれば、「サイトの読み込みに3秒以上かかると、ユーザーの40%は離れてゆく」という統計が出ています。
はてなブログでは検索上位が獲れても、アフィリエイトリンクのクリック率が低くなりがちです
表示速度の遅さは、アフィリエイトにおいて致命的な欠陥となります。
WordPressではレンタルサーバーとテーマの組み合わせによっては、SEOで有利な状況からブログを開設できます。表示速度の遅いはてなブログは、はじめからハンデを追っているのです。
パソコン初心者や少しずつスキルアップしたい人は、はてなでアドセンスブログから始めるのもあり
2024年8月現在、Google検索は企業サイトや公式サイトが圧倒的に有利です。個人ブログに厳しい状況ですので、Googleアドセンスを活用するならはてなブログから始めるのもひとつの方法です。
Googleアドセンス広告は、2024年に大きな仕様変更がありました。
「クリック単価 ⇨ インプレッション単価」
すなわち、広告がクリックされて初めて収益が入る仕組みから、広告が表示されるだけで収益が発生する仕組みへと変わったのです。
このシステム変更により、月1,000円~2,000円程度のお小遣い稼ぎという意味では、はてなブログのほうがハードルが低くなっています。
はてなブログでは、「はてなグループ」というコミュニティからアクセスを集めることができます。SEOを勉強していない初心者のうちは、はてなブログのほうが集客しやすいです。
ただし、はてなブログは表示速度の遅さが、いずれ足を引っ張ります。
WordPress運営者がSEOを勉強し、サイトが評価され始めると、アクセス面でも逆転されることが多いです。私は、後発のWordPressブログに順位で抜かれる経験を何十回も味わっています。
月の収益30,000円以上をいち早く達成したいなら、やはりWordPressのほうがおすすめ。
はてなブログでは他のブロガーさんと交流し、書き手の人柄や個性に触れられる良さがあります。コミュニティを通じてのアクセスが見込めるので、楽しみながら書きたい人ははてなブログは向いているでしょう。
その一方で、収益目的でブログを運営するなら、難しいことを勉強してスキルを習得しなければなりません。「絶対に収益化する!」という強い意志を持っているなら、初めから厳しい環境(=WordPress)に身を置いたほうが、結果は早く出ます。
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