いま話題の対話型AI、ChatGPT(チャット ジーピーティー)。雑談から詩や小説の創作、翻訳、プログラミングコードの生成、ニュース記事の要約など。幅広い用途に使える文章生成ツールです。

しかし、ChaTGPTには大きな欠点があります。情報の正確性には疑問の余地があるのです。

(⇦ この記事は、2023年3月現在、無料版で使えるGPT3.5について書いています)

【データが古い?】ChatGPTはリサーチには使えない?

まず、2021年10月以降に起こったことを質問してみます。ChatGPTに2022年11~12月におこなわれた

「サッカーのワールドカップ・カタール大会にの優勝国を教えてください」

と質問してみます。

(⇦ 正解は「アルゼンチン」)

実際に返してきたのが、以下の文章です。

2022年のワールドカップ・カタール大会は、まだ行われていないため、優勝国は決まっていません。大会は、2022年11月21日から12月18日まで行われる予定です。

ChatGPTのデータは古い?

ChatGPTはウィキペディア、ニュース記事、ブログなどのテキストデータをもとに学習しています。ただし、学習データは2021年9月までのもの。このため、情報の正確性には疑問の余地があるのです。

 ChatGPTにとって、2021年10月以降の出来事は“未来”のこと。だから、答えられないんですね。

次に、

「現在の日本の総理大臣は誰ですか?」

と質問してみます。

(⇦ 質問したのは、2023年3月)

ChatGPTの回答は、以下の通り。

2023年3月現在、日本の総理大臣は菅義偉(すが・よしひで)氏です。

あきらかに間違った答えを返してきました。現在の総理大臣は「岸田文雄」さん。2021年10月4日に就任しました。

【2021年9月以前の情報も間違いだらけ?】ChatGPTはリサーチには使えない?

では、2021年9月より前に起こったことなら、正確な答えを返してくれるか? というと、そうではありません。

ChatGPTに、

「朝ドラのおすすめ作品を5つ教えてください」

と、お願いしてみます。

ChatGPTはまず、おすすめ作品のタイトルを列挙してくれました。

朝ドラとは、NHK(日本放送協会)が制作し、毎朝放送される連続テレビ小説のことです。代表的な作品が多数ありますが、私のおすすめ作品としては以下の5作品を挙げます。

「半分、青い。」(2018年4月 – 9月放送)
「ちゅらさん」(2001年1月 – 12月放送
「あまちゃん」(2013年4月 – 9月放送)
「花子とアン」(2014年3月 – 9月放送)
「マッサン」(2014年9月 – 3月放送)
これらの作品は、それぞれの時代背景や地域性を生かして、家族愛や友情、恋愛などを描いた作品で、多くの人々から支持を受けた作品です。

すでに間違いが一点あります。『ちゅらさん』が放送されたのは、2001年の4月から同年の9月までです。

さらに、くわしい内容を聞いてみます。ChatGPTに、

「おすすめに挙げてくれた作品について、もう少しくわしく教えてください」

と、尋ねてみます。

ChatGPTの回答は間違いだらけでした。

はい、もう少し詳しく説明しますね。

  1. 「半分、青い。」 物語の舞台は、山形県鶴岡市。主人公の女子高校生・千尋(ちひろ)が、卒業後に進学することを決めた大学のある東京で、新しい人々との出会いや別れを経験しながら成長していく様子を描いた作品です。物語の中で、千尋が愛する故郷と、新しい世界との間で葛藤を抱えながらも、自分自身を見つめ直す姿勢が印象的です。
  2. 「ちゅらさん」 沖縄県を舞台に、自分の人生を歩む女性・安里(あさと)ちゃんの成長を描いた物語です。安里ちゃんは、父親を亡くしたことがきっかけで、家族のために髪を切り、舞踊を習い始めます。沖縄の伝統文化や歴史、方言などを取り入れた作品で、美しい音楽とともに、安里ちゃんの心の成長を追いかけることができます。
  3. 「あまちゃん」 主人公の天野アキ(あまの・あき)が、東京から故郷の北海道に帰り、地元のアイヌ文化に興味を持つようになりながら、自分のルーツを探し始める物語です。北海道の美しい自然や、アイヌの言葉や文化などが描かれ、視聴者からは「故郷を思い出させる」といった感想が寄せられました。
  4. 「花子とアン」 物語は、明治時代の末期に英語教育の先駆者として知られるヘレン・ケラーが、日本人女性花子の英才教育を手掛ける様子を描いたものです。花子が、英語に興味を持ち、夢を叶えるために努力する姿が、感動的な物語として多くの人々に支持されました。
  5. 「マッサン」 戦後の日本で、スコットランド人の男性・マッサンが、日本人女性と出会い、日本でウイスキーの製造を始める様子を描いた作品です

1.『半分、青い。』の舞台は、岐阜県東京。主人公の名前は鈴愛(すずめ)です。

2.『ちゅらさん』の主人公の名前は恵里です。

3.『あまちゃん』の主人公の故郷は、岩手県の三陸沖です。北海道やアイヌ文化が登場するのは『なつぞら』です。

4.『花子とアン』は、児童文学『赤毛のアン』の翻訳を手がけた村岡花子の物語。ただし、花子に大きな影響を与えたのはスコット先生です。ヘレン・ケラーではありません。

5.『マッサン』の主人公は、日本人男性の亀山政春。政春(まさはる)だから、スコットランド人の妻から「マッサン」と呼ばれたのです。

 

2021年以前のことを聞いているのに、なぜ間違いだらけなのか?

情報の正確性に欠ける理由とは

ChatGPTは学習データの8~9割に、英語のテキストデータが組み込まれています。このため、日本特有の文化について調べると、情報の精度がかなり下がってしまいます

この他、

「Webサイト上で文字を移動させるCSSコードを教えて」

と頼んだところ、現在は“非推奨”となっている古いプログラミングのコードが返ってきました。

このように、「間違いではないけれど、ベストではない」という回答も散見されます。

少なくとも、ブログ記事やレポートを書くためのリサーチ(情報収集)に、ChatGPTをそのまま使うのはおすすめできません。