「Runway」(ランウェイ)とは、動画の生成や編集が可能な動画生成AIサービスです。テキストを入力して0から動画を作ったり、元データとなる画像を読み込ませて動画を生成したりできます。

最新モデル「Runway Gen-3 Alpha版」(ランウェイ ジェン スリー アルファ)では、最長40秒の動画生成もできるようになりました(※ ただし、有料)。

また、「Runway Gen-3 Alpha Turbo」(ランウェイ ジェン スリー アルファ ターボ)では、従来の半分ちかい時間で動画生成できるようになりました。

この記事では、これから「Runway」をはじめる初心者のかたに向けて、「Runway」の登録方法と基本的な使い方を解説します。

AIツールは進化が目まぐるしく、古い情報だと仕様が違うことがあります。2024年9月最新の情報を踏まえ、登録手順と基本的な使い方を解説します。

動画生成AI「Runway」無料版でできることと,「Runway Gen-3 Alpha版」従来版との違い

「Runway」(ランウェイ)は、アメリカのAI企業「Runway AI」社が運営する動画生成AIサービスです。AI動画を生成できるだけでなく、動画の編集や音声の生成や取り除きも可能です。

◆ Runwayで使えるおもな機能

  • テキストや画像から、動画を生成できる
  • 動画から動画を作成
  • テキストからAIオーディオを作成
  • 動画の加工(背景やオブジェクトを変える)
  • 元画像の構図やスタイルを維持しつつ、画像にバリエーションをつける
  • 動画から3Dモデルを作る
  • 顔にぼかしを入れる
  • 白黒画像に色をつける

2023年9月現在、Runwayでは「Gen-2」「Gen-3 Alpha」「Gen-3 Alpha turbo」という3つの動画生成モデルを使うことができます。

  • Gen-3 Alpha turbo・・・元画像が必要。Gen-3 Alphaより高速だが、10秒未満
  • Gen-3 Algha ・・・Gen-3 Alpha turboより処理速度は遅いが、最長40秒の動画を作れる
  • Gen-2・・・旧モデル。テキストだけで動画生成できる

Runwayで作った動画コンテンツは、商用利用も可能です。「AIクリエーター」という言葉も生まれましたが、動画をビジネスに使いたいかたにとっては貴重なツールです。

ただし、利用規約は変更される可能性もあります。最新のRunwayの利用規約には、必ず目を通してください。

◆ Runwayの料金プラン

Runwayには、2024年9月時点では5つの料金プランがあります。

Runway、プランと料金
出典:https://app.runwayml.com/video-tools/
プラン月額付与されるクレジットGen-3 Alpha版の利用その他
Free
(無料)
0円525クレジット
(1回きり)
ウォーターマークは消せない
Standard
(スタンダード)
12ドル/月
(≒1,740円)
625クレジット
(月が変わるたび)
Gen-3 Alphaで10秒の動画を作れる
Pro(プロ)28ドル/月
(≒4,060円)
2,250クレジット
(月が変わるたび)
リップシンク(口パク機能)が使える
Unlimited
(アンリミテッド)
76ドル/月
(≒11,020円)
無制限2250クレジットが毎月付与され、足りない場合は追加購入できる
Enterprize
(エンタープライズ)
125ドル/月
(≒18,125円)
契約内容による企業向け
※ 為替レートは、2024年9月4日時点(1ドル=145円)で計算

フリープラン(無料版)でも、「テキストや画像から動画を生成」「音声を生成」といった基本的な機能は使えます。ただし、利用制限がかかります。

◆ Runway フリープラン(無料版)の制限

  • 動画や画像を生成するときに“クレジット”を消費するが、クレジットの追加ができない
  • フリープランで生成できる動画は、5秒か10秒
  • ウォーターマーク(=Runwayで動画作成したことを示すマーク)を消せない
  • 出力する画像の形式が制限される

初心者なら「スタンダード」プラン、本格的な動画生成をしたいかたは「プロ」プランがおすすめです。

【始め方ガイド】動画生成AI「Runway」登録方法と,初心者向けチュートリアル

STEP1
Googleアカウント経由で、Runwayのアカウントを作成する
STEP2
ダッシュボード画面でできることを把握しよう
STEP3
「Text/Image to Video」で動画を生成する

まず、Runwayの公式サイトにアクセスし、画面右上の「Get Started」をクリックします。

Runway、公式サイト、始め方
出典:https://runwayml.com/

GoogleアカウントかApple IDがあれば、すぐにRunwayのアカウントを作成できます。

ここでは、Googleアカウントからログインします。

Runway、Googleアカウントからログイン
出典:https://app.runwayml.com/

ホーム画面に移動します(下図は、2024年9月2日時点のホーム画面)。

【2024年9月版】ダッシュボード画面の見方

動画を作る前に、少しダッシュボード画面で何ができるか、のぞいてみましょう。

早く動画を作成したいかたは、読み飛ばしても構いません。

>> すぐに動画を作成したい!

「Home」画面を下にスクロールすると、「Runway’s AI Tools」が表示されます。

  • 「Text/Image to Vide」・・・テキストや画像から動画を生成する
  • 「Text to Image」・・・テキストから画像を生成する
  • 「Generative Audio」・・・音声を生成する
  • 「Scene Detection」・・・映像の編集点を見つけ、分割する

など、Runway AIを使ってできるタスクが表示されます。

初期設定では、Runway AIで使える機能すべてが表示されています。右側の「view fewer tools/view all tools」で、全表示/offの切り替えができます。

Runway's AI Tools、全表示、切り替え
出典:

さらに下にスクロールすると、「Tutorials」が表示されます。Runway公式が作成した「使い方ガイド」の動画を見ることができます。

ランウェイ、チュートリアル

初期設定では、4つのチュートリアル動画が表示されています。

右側の「view all tutorials」をクリックすると、「runway Academy」というWebサイトへ移動します。このサイトでは、動画の作り方から作業フローまで、Runwayに関するさまざな動画を視聴できます。

これからRunwayを始めるという初心者のかたは、初期設定でも表示されている「Text/Image to vido」のチュートリアル動画がおすすめです。

チュートリアル動画、Text/Image to Video
⇧ 最初に見ておきたい「Text/Image to Video」

さらに下にスクロールすると、「Discover and Remix」が表示されます。

ここでは、Runwayユーザーが投稿したコンテンツが表示されます。サムネ画像をクリックすると、プロンプト(=命令実行文)を表示させることができます。気に入った動画があれば、他のユーザーが作った動画を“素材”として、自分の動画を作ることもできるのです。

Discover and Remix、ほかのユーザー
⇧ 気になった動画をクリックすると・・・
Dicover and Remix、ほかのユーザー、プロンプト
⇧ プロンプトを確認できる

続いて、左側のメニューバーです。

「Runway Watch」では、Runwayユーザーが製作したショートムービーが視聴できます。Runway AI社は、2023年に生成AI作品の映画祭「Runway AI Film Festival」を立ち上げました。「Runway Watch」では映画祭で評価されたショートムービーを見ることができます。

筆者がお気に入りの作品をひとつご紹介します。


左のメニューバーの解説を続けます。

「All Assets」は、自分がアップロードした動画や素材の保管場所です。Asseyts内にフォルダも作成できるます。製作中の動画ごとにフォルダを分ければ、素材を整理しやすくなります。

「Favorite Assets」では、お気に入りAssetsのみ保存できます。

【Runay】動画を作成する基本的な流れ

左のメニューバーの「Text/Image to Video」(=テキストや画像をもとに動画を生成)をクリックします。

左上の「Gen-2」をクリックすると、動画生成に使うモデルを選択できます。

Gen-2、Gen-3 Alpha Turbo、Gen-3 Alph、モデルを選択

2024年9月2日時点では、3つのモデルが選択可能です。

  • Gen-3 Alpha turbo・・・元画像が必要。Gen-3 Alphaより高速だが、10秒未満
  • Gen-3 Algha 有料!・・・Gen-3 Alpha turboより処理速度は遅いが、クオリティの高い動画を作れる
  • Gen-2・・・旧モデル。テキストだけで動画生成できる

「無料版」では、最大40秒の動画を生成できるGen-3 Alphaは使用できません(2024年9月2時点)。

「Text to Image」テキストから画像を生成する(Gen-2)

まず、「Gen2」モデルを使って、テキストから動画を作ってみます。

テキストから動画を作る場合は、プロンプト入力欄に英語でプロンプトを入れます。「Baby’s die hard huilen」(大声で泣く赤ちゃん)と入力してみます。

Gen-2,テキストから画像を生成

プロンプト入力画面の下の「Free previews」をクリックすると、右側にプレビュー画面が表示されます。よければ「Generate 4s」を押します。

Gen-2,Free previewsm,右側にプレビュー画面
出典:

およそ2分ほどで動画を生成してくれました。

大声で泣く赤ちゃん

正直、泣いているようには見えませんが、泣きそうな気配は感じます(笑)。

なお、「無料版」を使っているとウォーターマーク(=光の玉みたいなマーク)が表示されます。

「Text/Image to Video」テキストと画像から動画を生成する(=Gen-3 Alpha Turbo)

続いて、高速で動画生成できる「Gen-3 Alpha Turbo」を使って、テキストと画像から動画を生成してみます。

赤ちゃんが泣いている写真をアップロードし、「Baby’s die hard huilen」(=大声で泣く赤ちゃん)とプロンプトを打ちます。

アップロードする画像のサイズは、

1280 ✖ 768

となります。

このサイズより大きめの画像を用意し、クロップ(=画像の一部を切り取る)します。

アップロードした画像,クロップ

プロンプト入力欄に「Baby’s die hard huilen」(=大声で泣く赤ちゃん)と入れて、秒数(5秒/10秒)を決めたら「」を押します。

ジェンスリー アルファ ターボ、テキストと画像から動画を生成

プロンプト入力欄の下にある「Generate」を押します。

生成された動画がこちら。元画像があると、精度の高い動画を作ってくれます。クローズアップもAIが勝手にやってくれました。

生成した動画は、左のメニューバーの「Assets」に保存されます。

このサイトでは、今後もRunwayのプロンプトの打ち方や使い方など、情報を発信してゆきます。