ドメインやレンタルサーバーと契約する際に、「サービス維持調整費」という耳慣れない言葉が出てくることがあります。レンタルサーバーは契約するプランや契約期間によって料金が変動するため、料金体系がわかりにくくなっています。
レンタルサーバーの「サービス維持調整費」について解説し、「サービス維持調整費」がかからないサービスをご紹介します。
【いつから始まった?】レンタルサーバーの「サービス維持調整費」とは?
ロシアのウクライナ侵攻に端を発し、2023年初頭から原油価格が高騰し、電気料金も上がりました。また、ITインフラには半導体チップが必須ですが、感染症の影響で半導体の供給も滞りました。
こうした流れを受け、2023年2月より、多くのレンタルサーバー会社では「サービス維持調整費」という別途料金がかかるようになりました。
サーバーと新しい契約を結ぶときや契約更新のときに発生する料金に対し、10~20%程度の「サービス維持調整費」が加算されます。
たとえば、12ヶ月契約で新規契約を結んだとき、14,400円(月額1,200円)かかるとします。
サービス維持調整費が10%だとすれば、14,400(円)✕1.1(倍)=15,840(円)
サービス維持調整費が20%だとすれば、14,400(円)✕1.2(倍)=17,280(円)
となり、ホームページに記載されている料金より割高になります。
「サービス維持調整費」の導入直後、各レンタルサーバー会社は1~3カ月ごとに市場の動向を踏まえて見直しを行なう、と説明していましたが・・・
実際には「サービス維持調整費」は撤廃にはならず、2024年の現在も存続しています
また、「サービス維持調整費」という名目でないにしろ、2023年2月のタイミングで大幅な料金改定に踏み切った会社もあります。
【2024年5月】「サービス維持調整費」のかからないレンタルサーバーはどれ?
2024年5月時点で、各レンタルサーバー会社のサービス維持調整費を調べてみました。
レンタルサーバー | ドメイン | |
---|---|---|
ConoHa WING | 税抜きの請求額✖サービス維持費10% | – |
お名前.comレンタルサーバー | 税抜きの請求額✖サービス維持費10% | 税抜きの請求額✖サービス維持費24.0% |
ムームードメイン | – | 税抜きの請求額✖サービス維持費24.0% |
「サービス維持調整費」が存続している上に、ドメイン取得費用やサーバーの更新費用の値上げに踏み切ったサービスもあります
ドメインのサービス維持調整費については、「【徹底比較】ドメイン更新料が安いのはどっち?Xserverドメインとお名前ドットコム」の記事でも解説しています。
WordPressブログ向けに人気のレンタルサーバーのうち、「サービス維持調整費」がかからないのは、以下の2つです。
- エックスサーバー
- シン・レンタルサーバー
① エックスサーバー
「エックスサーバー」は、国内シェアNo.1のレンタルサーバー。
20年の運用実績をほこる老舗のレンタルサーバー会社。高速でシステム障害が少なく、サポート体制が充実しているが強みです。
個人ブログにおすすめのスタンダードプランは、12ヶ月契約を結んだ場合、13,200円(=月額1,100円)。2024年6月5日までキャンペーンを行なっており、半額で契約できます。
(※ お申し込みから6ヶ月後に、申請してキャッシュバックをもらう)
>> エックスサーバー
② シン・レンタルサーバー
「シン・レンタルサーバー」は、国内シェア8位のレンタルサーバー。
業界最先端の技術を取りこもうと尽力しており、高速かつコストパフォーマンスの良さがウリです。
個人ブログにおすすめのスタンダードプランは、12ヶ月契約を結んだ場合、21,360円(=月額1,780円)。2024年6月10日までキャンペーンを行なっており、30%オフ半なります。
>> シンレンタルサーバー
【2024年5月】ConoHa WINGのサービス維持調整費は?
「ConoHa WING」は、国内シェア4位のレンタルサーバー。
ヒトデさんやマクリンさんなど人気ブロガーが使っていることから、個人ブロガーに人気のレンタルサーバーです。管理画面が見やすく、独自ドメインが2つ付与されるのがメリット。
「ConoHa WING」では、新規契約あるいは契約更新のときに発生する請求に対し、10%の「サービス維持調整費」がかかります。
ConoHa WINGはもともとの料金設定がやや割高(※)なので、割引キャンペーンをうまく利用するのがおすすめです。
(※ 初めてのWordPressブログにおすすめのベーシックプランは、12カ月契約で17,424円(=月額換算1,452円))
【2024年5月】ロリポップのサービス維持調整費は?
「ロリポップ」は、国内シェア2位のレンタルサーバー会社。
安価な価格設定ということもあり、月額300~500円の予算なら候補に推したいレンタルサーバーです。
ロリポップには、「サービス維持調整費」という名目の請求はありません。
ただし、2023年2月1日に料金改定があり、改定前と改定後で大きく料金設定が変わりました。
副業ブログにおすすめのハイスピードプランの場合、
12カ月契約(月額換算) | 36カ月契約(月額換算) | |
改定前 | 9,900円(825円) | 6,600円(550円) |
改定後 | 11,800円(983円) | 6,600円(550円) |
となっています。長期契約を結べばお得ですが、36カ月契約以外は、のきなみ値上がりしました。
【2023年12月】お名前.com レンタルサーバーのサービス維持調整費は?
「お名前.com レンタルサーバー」は、国内シェア7位のレンタルサーバー。
運営元は、ドメイン取得サービスとしてはシェアNo.1の「お名前.com」と同じ、GMOインターネットグループ株式会社です。ドメインとレンタルサーバーを同じ業者で完結できることから、管理が楽なのがメリットです。
ただし、「お名前.com レンタルサーバー」のサービス維持調整費はやや割高です。
2023年2月の導入時はサービス維持調整費は18.25%でしたが、2024年5月現在は24.0%になっています。
「お名前.com」は業界No.1の620種類ものドメインを扱っています。また、ドメインの初期取得費用が格安なことから、Webサイトをたくさん作るかたにはメリットもあります。
「お名前.com レンタルサーバー」と契約する際は、キャンペーンを上手く利用し、初期費用を抑えるのがおすすめです。
まとめ
電気料金の高騰や半導体チップの供給不足を受け、ほとんどのレンタルサーバーやドメイン取得会社は“サービス維持調整費”を導入しました。
税抜きの請求額 ✖ 10~25%(サービス維持調整費) = トータルの請求額
不明瞭な料金体系を避けたい人には、サービス維持調整費がかからないエックスサーバーやシンレンタルサーバーがおすすめです。