WordPress(ワードプレス)でブログを始めるには、レンタルサーバー代やドメイン代などがかかります。このため、ブログ収益化をめざす初心者に、無料ブログの「はてなブログ」を薦める人は多いです。
確かに、「はてなブログ」は「FC2ブログ」や「アメーバブログ」に比べても、収益化の手段が豊富です。規約の範囲内ではありますが、
- Googleアドセンス
- アフィリエイト広告
の運用が、公式に認められているのです。
さらに、「codoc(コードク)」というサービスを利用して、記事の有料販売まで可能です。noteのように、記事に値段をつけて販売できるのです。
ところが、どんなに収益化の機能が充実していても、実際にはてなブログで収益化するのは極めて難しいです。いちばん大きな理由は、「はてなブログのコミュニティでは、お金を稼ぐスキルが育ちにくいから」です。

FUKUZOU
はてなブログ歴8年、WordPress歴7年の副業ブロガー。2025年3月現在も、はてなブログ&WordPressともに運営しています。
この手の記事を書いている人は、本当ははてなブログを運営していない人ばかりです。筆者は現役のはてなブロガーです。
【はてなブログで収益化が難しい理由とは?】ネットで言われていることと実際は違う
はてなブログではなくWordPressを推す理由として、ネットでは次のような意見が散見されます。
- サービス終了のリスクがある
- アフィリエイトが禁止されている
- はてなブログだと、Googleアドセンスの審査に通りづらい
はてなブログに8年も在籍している筆者からすれば、情報が間違っています。
サービス終了のリスクがある ⇨ はてなブログは事業の中心
はてなはサービス終了のリスクがあるからと言って、WordPress有利説を唱える人がいます。
しかし、運営元である「株式会社はてな」にとって、「はてなブログ」は事業の根幹を担うサービスです。「株式会社はてな」がブログ事業を手放すのは、UCCがコーヒー事業から撤退するようなもの。基幹事業であるブログサービスから、かんたんに撤退するとは思えません。
アフィリエイトは禁止されている?
はてなブログは2019年10月に「はてなブログ個人営利利用ガイドライン」を発表し、アフィリエイトを大幅に解禁しました。
内容のうすい記事、芸能人のゴシップ、アダルトサイトや出会い系サイトにアフィリエイト広告を貼るのは禁止ですが、それ以外のアフィリエイトは原則OKです。

商品やサービスのレビュー記事や比較記事にアフィリエイト広告を貼っても、特に問題ありません。
Googleアドセンスの審査に通りづらい ⇨ はてなの無料ブログでもアドセンス広告を貼れる
独自ドメインを取得できない「はてなブログ無料版」だと、アドセンス広告を貼れないと発信する人がいます。しかし、まったくのデマです。
確かに、Googleアドセンスは独自ドメインのほうが合格しやすいです。
しかし、WebにはPublic Suffix Listという仕組みがあります。Public Suffix Listに登録されると、サブドメインが独自ドメインと同等に扱われます。はてなの提供ドメインはPublic Suffix Listに登録されているため、Googleアドセンス広告を利用できます。
実際に、独自ドメインが使えない「はてなブログ 無料版」でも、審査に合格してアドセンス広告を貼っている人はいます。

はてなブログでは、アフィリエイト広告もアドセンス広告も貼れます。ただ、収益化が難しい理由は別にあります
収益化が難しい「本当の理由」とは?【稼ぐチカラが育っていなくても読んでもらえるから】
書きたいことを書くブログ初心者を、全力サポート!
はてなブログでは公式サイドが様々なSNSツールや企画を用意して、ブログ初心者をサポートしてくれます。
- はてなスター・・・運営者同士が「いいね!」の気持ちを伝え合う
- はてなブックマーク・・・他のブロガーの記事をブックマークして、みんなに広める
- はてなグループ・・・同じジャンルのブロガーがコミュニティに参加して読み合う
- 今日のはてなブログ・・・編集部が、お気に入りの記事を公式サイトで紹介してくれる
ブログ運営者にとって、いちばん辛いのは誰にも読まれないこと。
はてなブログには初心者が挫折しないよう、あの手この手で“誰かに読んでもらえる”仕組みがあります。

この仕組み自体は、素晴らしいと思うんです
初心者でもブログが続けやすくなるように、ここまで支援してくれるブログサービスは他にありません。趣味でブログを書いている人にとっては、“最高の環境”です。

ところが、過保護すぎるサポート体制が、“お金を稼ぐチカラ”を育てにくくしているのです
フリーランスとしてひとり立ちするスキルが育ちにくい
ブログでお金を稼ぐとは、「個人事業主として自立すること」です。メディアのいち経営者となり、自分でお客さんを集めなくてはなりません。

収益を目的とした時点で、ブログは「ビジネス」(=仕事)なのです
ピアノ講師は、人に教えられるだけの演奏技術や音楽の知識があるからピアノ教室を運営できます。ピアノ講師は小さい頃から遊びたいのを我慢して、ピアノの練習をしてきました。来る日も来る日も演奏スキルを磨いてきたから、そのスキルを学ぼうと生徒さんが集まってきます。
プロ野球選手も個人事業主です。野球選手は子どもの頃からゲームやテレビを我慢して、練習に打ちこんできました。「打つ・投げる・走る」といったスキルを一流レベルまで磨いたから、契約を勝ち取ることができます。お客さんに自分のプレーを見てもらえる権利を、自分で勝ち取っているのです。

ブログも同じです。スキルを磨いて自力で「お客さん」を集めないと、お金は稼げません
ブログで収益を得ている人たちは、ブログを始めてからSEOやライティング、Webマーケティングを勉強します。自分が発信するジャンルや扱うテーマについても勉強を続け、人より詳しくなるから、発信する情報に価値が生まれます。
誰かの役に立つ記事が書けるようになるから自然と「お客さん」が集まるようになり、お金が発生するのです。

ピアノ講師やプロ野球選手と同じように、勉強を続けて獲得したスキルが収益を生むのです。

ところが、はてなブログではスキルがまったくない状態でも、誰かに読んでもらえます
何を書いても読んでもらえるのだから、勉強しようとは思わなくなります。
しかも、実際に記事を読んでくれるのは、ブログ運営者ばかり。ブログ運営者は、会社でいえば“同僚”のような存在です。ともに頑張る仲間であって、お金を落としてくれる「お客さん」ではありません。
お金を稼ぐスキルを育てようとすると、価値観がぶつかってしまう
2023年秋ごろから、Google検索では圧倒的に企業サイトが優位になりました。
2024年2月にGoogleアドセンスの仕組みが変わり、インプレッション報酬(=広告が見られた回数に対して収益が発生)がメインとなりました。今まで以上にPV数が収益を左右するようになって、アクセスを集めやすい企業が有利になったのです。
個人が大きな収益を得ようと思ったら、少ないPVで収益を得られるアフィリエイト広告のほうが向いています。

しかし、はてなブログでは、アフィリエイト記事を書くのはとても難しいです。
はてなブログのコミュニティでは、アフィリエイトブログが極端に嫌われる
これは、2020年の話です。
はてなブログでアフィリエイト記事を書いている運営者(Aさん)が、別のはてなブログ運営者(Bさん)のある記事を紹介しました。ブログのカスタマイズに関する記事でした。
記事を引用されたBさんは、

お金もうけのブログに利用された!
と、烈火のごとく怒り出したのです。
「嫌儲(けんもう)思想」という言葉があります。日本では、ネットでお金を稼ぐ人に対して、過度にアレルギー反応を示す人たちがいます。
「嫌儲思想」の例が、アフィリエイトに対する嫌悪感です。
筆者はアフィリエイト記事を書いてみて、ブログ運営者の中にも「嫌儲思想」は根強いのだと痛感しました。
はてなブログお知らせレターに見る、収益化の難しさ【コミュニティは収益型ブログを歓迎していない】
はてなブログでは、2022年6月に公式サイドが「はてなブログ収益化攻略ガイド」というページを発表しました。おもにGoogleアドセンスの設定方法を解説したページなのですが、このページが公開されてから、運営側に対して多くの反対意見が集まりました。

はてなブログは「日記ブログ」と「収益型ブログ」、どっちの味方なの?
はてなブログでは、以前はアフィリエイトに厳しい規制がかかっていました。ただ、公式サイドはガラッと方針を変え、2019年10月より規約の範囲内でアフィリエイトが認められるようになりました。
しかし、昔から趣味ブログを運営したきた人の中には、公式サイドの方針転換に反発する人たちもいました。副業目的ではてなブログを始める人が増えて、
自分たちの畑を荒らされる
と感じた人も多かったのです。
また、アフィリエイトブログからはてなスターをもらうと、“自分が押し売りされていると感じる”人もいるそうです。

アフィリエイトブログにフォローされたくない。僕に売り込みしても、「絶対」買わないからな!

営業目的で、はてなスターを送っている訳じゃない。「いいね」の気持ちを伝えたいだけなのに・・・
アフィリエイトに嫌悪感を持っている運営者も多く、収益型ブログが趣味ブログと交流するのが難しいのです。
はてなブログのコミュニティでは「収益型ブログ」は少数派!無関係な数値が気になってしまう
趣味について熱く語るブログ、書き手の個性が見える日記ブログ、短歌やイラストを発表する創作ブログ・・・さまざまなブログと出会えるのが、はてなブログのメリットです。

だから、僕ははてなブログが好きなんです
しかし、どんなに素晴らしいコミュニティであっても、必ず多数派と少数派を生みます。
◆ はてなブログで大多数を占めるブログのタイプと、収益化できるブログの割合 ◆


みんなが日記のような記事を書いているなか、10時間もかけて専門記事を書けば、周囲から浮きます
はてなブログには、“人気のバロメーター”となるような数値があります。
- はてなブログの「読者登録」・・・はてなブログ利用者の登録者人数
- はてなスター・・・ブログ運営者からもらった「いいね」の数
- はてなグループ ランキング・・・登録中のグループ内におけるランキング。参加は任意
このうち、はてなブログの「読者登録」と「はてなスター」は公開されているので、イヤでも数値が目に入ってきます。
これらの数値ははてなブログのコミュニティ内だけで通用する数値で、ブログのアクセスや収益とは関係ありません。Google検索やSNS検索など、はてなブログの外から「お客さん」を集めることのほうが遥かに大事だからです。
ところが、このどうでもいい数値を気にしている人がメチャクチャ多いです。
◆ 「はてなブログあるある」コミュニティ内の数値が気になってしまう ◆


収益化に1ミリも関係ない数値を気にかけのは、エネルギーのムダ。でも、数字を出されると、気になってしまうんですね
また、収益型ブログは、セールスの記事を書く必要があります。
しかし、周りのブロガーがアフィリエイト広告を嫌う傾向があるので、セールスの記事も書きづらくなります。空気を読む人であればあるほど周りに遠慮してしまい、収益化が難しくなります。
WordPress(ワードプレス)には、コミュニティは存在しません。コミュニティからのアクセスは期待できませんが、コミュニティが作る“同調圧力”に左右されずに発信ができます。他のブログ運営者の顔色を伺わなくとも、セールスの記事を書けるのです。
まとめ
Yahoo!ブログ、LINEブログのように、サービス終了となるブログサービスが増えています。
日々の思いを吐き出す場を求めている人たちが、

はてなブログは「書きたいことを好きなように書く」ブロガーの味方であってほしい
と思うのは当然です。

そういう人たちの気持ちも、よくわかるんです
だから、難しい。
はてなブログの運営サイドも、「趣味でブログをやる人」と「収益目的でブログをやる人」、どちらの要望にも応えたいと苦慮しているんだと思います。
しかし、多数派と少数派がいれば多数派の意見が強くなるのが、コミュニティの性(さが)。はてなブログのコミュニティでは、収益型ブログを嫌う人たちの意見が強いです。

社風やサークルのノリが合わなくて、居心地の悪さを感じた経験はありませんか?
はてなで収益化をめざすと、同じような体験をします。周りは収益を目的としていないからです。
収益をめざすなら、WordPressのほうがおすすめです。
周りとの軋轢に、余計なエネルギーを使わなくて済むからです。記事の質を高めることに集中できます。
筆者がWordPressを開設した2019年と違って、WordPressブログも始めやすくなりました。指示通りに項目を入力してゆくだけでWordPressを始められるなんて、7年前には想像もできませんでした。
エックスサーバー の「簡単インストール」なら、難しい手続きなしですぐにWordPressを開設できます。表示速度も速く、わからないことを聞けるサポート体制も万全。副業ブログを始めたいガチ勢の人には、エックスサーバーがおすすめです。
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