WordPress(ワードプレス)でブログを始めるには、レンタルサーバー代やドメイン代などがかかります。このため、初期費用を抑えたい人に向け、無料ブログの「はてなブログ」を薦める人は多いです。
確かに、「はてなブログ」は「FC2ブログ」や「アメーバブログ」に比べても、収益化の手段が豊富です。規約の範囲内ではありますが、
- Googleアドセンス
- アフィリエイト広告
の運用が、公式に認められているのです。
さらに、「codoc(コードク)」というサービスを利用して、記事の有料販売まで可能です。
しかし、どんなに収益化の機能が充実していても、実際にはてなブログで収益化するのは極めて難しいです。
いちばん大きな理由は、運営者たちが作る「はてなブログのコミュニティでは、嫌儲(けんちょ)思想が根強いから」です。はてなブログでは、“趣味”としてブログを運営している人が圧倒的多数を占めます。中には収益化を快く思わないかたも多く、セールスの記事を書きにくい雰囲気があります。
FUKUZOU
はてなブログ歴7年、WordPress歴6年の副業ブロガー。2024年11月現在も、はてなブログ&WordPressともに運営しています。
本当ははてなブログが好きですが、問題点も感じています
【はてなブログで収益化が難しい理由とは?】ネットで言われていることと実際は違う
はてなブログではなくWordPressを推す理由として、ネットでは次のような意見が散見されます。
- カスタマイズが自由にできない
- サービス終了のリスクがある
- はてなブログだと、Googleアドセンスの審査に通りづらい
7年はてなブログに在籍している筆者からすれば、これらは大した問題ではありません。
カスタマイズが自由にできない ⇨ WordPressだってカスタマイズは難しい
ブログのカスタマイズをするには、「CSS」や「HTML」といったコンピュータ言語の理解が必要です。「CSS」や「HTML」の知識がなければ、WordPressだって自分の思い通りにカスタマイズするのは難しいです。
サービス終了のリスクがある ⇨ はてなブログは事業の中心
「Yahoo!ブログ」や「LINE ブログ」のように、サービスを終了してしまったブログサービスもあります。
しかし、はてなブログの母体である「株式会社はてな」にとって、「はてなブログ」は事業の根幹を担うサービス。「株式会社はてな」がはてなブログを終了するのは、UCCがコーヒー事業から撤退するようなもの。基幹事業であるブログサービスから、簡単に撤退するとは思えません。
Googleアドセンスの審査に通りづらい ⇨ はてなの無料ブログでもアドセンス広告を貼れる
はてなブログには、無料の「はてなブログ 無料版」と有料の「はてなブログPro」があります。独自ドメインが使えない「はてなブログ 無料版」でも、審査に合格してアドセンス広告を貼っている人はいます。
そもそも、Googleアドセンスの審査は年々厳しくなっています。WordPressだから審査に通りやすい、ということはないです。
本質は、そこじゃないんです
収益化が難しい「本当の理由」とは?【はてなのコミュニティでは,嫌儲思想が根強いから】
「嫌儲(けんちょ)思想」という言葉があります。
日本では、ネットでお金を稼ごうとする人に対して、過度なまでにアレルギー反応を示す人たちがいます。
「嫌儲(けんちょ)思想」の例が、アフィリエイトに対する嫌悪感です。
「アフィカス」(=アフィリエイト広告で儲けているカス野郎)という蔑称に代表されるように、インターネットでお金を稼ぐ人を忌み嫌う人たちが多いのです。
はてなブログでは、趣味でブログを運営している人が圧倒的多数を占めます。アフィリエイト記事を書いて痛感したのですが、ブログ運営者の中にもこのような「嫌儲思想」が持つかたがたくさんいるのです。
はてなブログのコミュニティでは、アフィリエイトブログが極端に嫌われる
これは、2020年の話です。
はてなブログでアフィリエイト記事を書いている運営者(Aさん)が、別のはてなブログ運営者(Bさん)のある記事を紹介しました。ブログのカスタマイズに関する記事でした。
記事を引用されたBさんは、
「お金もうけのブログに利用された!」
と、烈火のごとく怒り出したのです。
【体験談】アフィリエイト記事を書くたびに、ブログ仲間が離れてゆく
はてなブログでは、
- 読者登録・・・お気に入りのブログの購読者になる
- はてなスター・・・気に入った記事に“イイね”の気持ちを伝える
- はてなブックマーク・・・気になった記事をオンライン上でブックマークし、他の人にも読んでもらう
といった運営者同士が交流を深めるためのツールが充実しています。
はてなで「趣味ブログ」を運営する人たちは、こういったツールや機能を活用して読者を増やしてゆく文化があります。「イイね」の気持ちを相手からもらったら、コマメに送り返す。
X(旧ツイッター)の相互フォローのように、“気の遣い合い”ができる人が読者を増やしてゆきます
いっぽう。アフィリエイト記事を書くような「収益型ブログ」は、Google検索やSNS検索をする人に向けて情報を発信します。一般の読者に向けて記事を書くので、ブログ運営者との交流にまで気が回らないのです。
このため、「趣味ブログ」と「収益型ブログ」では、どうしても温度差や摩擦が生まれます。
難しいのは、「収益型ブログ」があまりに少数派であるため、コミュニティの空気を読まないと“悪目立ちしてしまう”ことです。
まるで、「アフィリエイト記事を書いてはならない」という“同調圧力”を感じることがあるのです。
はてなブログお知らせレターに見る、収益化の難しさ【コミュニティは収益型ブログを歓迎していない】
はてなブログでは、2022年6月に公式サイドが「はてなブログ収益化攻略ガイド」というページを発表しました。おもにGoogleアドセンスの設定方法を解説したページなのですが、このページが公開されてから、運営側に対して反対意見が集まったそうです。
はてなブログは「日記ブログ」と「収益型ブログ」、どっちを推しているの?
2018年までの方針を転換し、「アフィリエイト解禁」に踏み切った公式サイドに不満をもつ人たちの気持ちもわかります。
昔から趣味でブログを運営してきた人からすれば、副業目的でブログを始める人が急に増えて、
自分たちの畑を荒らされる
と感じても不思議ではありません。
また、アフィリエイトブログからはてなスターをもらうと、“自分が押し売りされていると感じる”人もいるそうです。
アフィリエイトブログにフォローされたくないわ。私に売り込みしても、「絶対」買わないから!
アフィリエイト記事を書いているからといって、売り込むため(営業目的で)はてなスターを送っている訳ではないのですが…
ブログをやる目的が違う運営者のかたと交流するのが、とても難しいのです。
はてなブログのコミュニティでは、「収益型ブログ」は少数派
はてなブログでは、運営側がさまざまな企画やSNSツールを用意し、
記事を公開すれば、「誰か」に読んでもらえる
という環境を作ってくれています。
- 今日のはてなブログ・・・公式が選ぶ、おすすめの記事
- 今週のお題・・・指定されたテーマの記事を書くと、編集部に読んでもらえる
- はてなグループ・・・同趣味・興味をもったブログ運営者をつなぐ
こういった企画に参加すれば、初心者でもはてなブログ内の“誰か”に読んでもらうことができます。
趣味について熱く語るブログ、価値観が見える日記ブログ、短歌やイラストを発表する創作ブログ・・・さまざまなブログと出会えるのが、はてなブログのメリットです。
だから、僕ははてなブログが好きなんです
しかし、どんなに素晴らしいコミュニティであっても、必ず多数派と少数派を生みます。
はてなブログでは、自分が書きたいことを毎日更新し、「イイね」の気持ちをこまめに送り合う「趣味ブログ」が多数派です。
これに対して、疑問があって検索する人のために記事を書く「収益型ブログ」は少数派です。「収益型ブログ」はSEOの勉強やリサーチなどやることが山積みなので、フォロワーのブログすべてはチェックできません。
どうしても、多数派(=趣味ブログ)と少数派(=収益型ブログ)の間に温度差が生まれます。
副業目的のガチ勢は、はてなブログのコミュニティにおいて孤立しがちなのです
WordPressには、コミュニティは存在しません。ですから、「コミュニティに所属する誰か」に読んでもらうことは不可能です。SEO(またはSNSの運用法)を勉強して、自分のちからで集客する必要があります。
逆に言えば、コミュニティが作る“同調圧力”に左右されずに、情報発信ができます。他のブログ運営者の顔色を伺わなくとも、セールスの記事を書けるのです。
まとめ
「はてなブログ」のコミュニティでは、アフィリエイト記事を書くような人は少数派です。
趣味でブログを運営する人の中には、さまざまな考えを持つ人がいます。アフィリエイトブログに抵抗なく接してくれる人もいれば、毛嫌いする人もいます。
収益化を快く思わない多数派が作る空気感が、セールスの記事を書きづらくしているのです。
収益を目的とするなら、WordPressのほうがおすすめです。
昔と違って、WordPressブログも始めやすくなりました。エックスサーバーの「簡単インストール」なら、難しい手続きなしですぐにWordPressを開設できます。