WordPress(ワードプレス)でブログを始めるには、レンタルサーバー代やドメイン代などがかかります。このため、ブログ収益化をめざす初心者に、無料ブログの「はてなブログ」を薦める人は多いです。
確かに、「はてなブログ」は「FC2ブログ」や「アメーバブログ」に比べても、収益化の手段が豊富です。規約の範囲内ではありますが、
- Googleアドセンス
- アフィリエイト広告
の運用が、公式に認められています。
ところが、どんなに収益化の機能が充実していても、はてなブログで収益化するのは極めて難しいです。

FUKUZOU
はてなブログ歴8年、WordPress歴7年の副業ブロガー。2025年4月現在も、はてなブログPro(有料版)を運営しています
この手の記事を書く人は、現在進行形ではてなを運営していない人ばかりですが、筆者は現役のはてなブログPro運営者です。現役プレーヤーならではの視点で書いています。

【はてなブログで収益化が難しい理由とは?】はてなブログを運営していない人の情報は、デマばかり
はてなブログではなくWordPressを推す理由として、ネットでは次のような意見が散見されます。
- サービス終了のリスクがある
- はてなブログではアフィリエイトが禁止されている?
- はてなブログ無料版は、Googleアドセンスに受からない?
はてな歴8年の筆者からすれば、情報が間違っていたり、誇張され過ぎています。
はてな無料版でもアドセンス広告を貼っている人はいくらでもいますし、規約の範囲内でアフィリエイトも可能です。
サービス終了のリスクがある ⇨ はてなブログは事業の中心
はてなはサービス終了のリスクがあるからと言って、WordPress有利説を唱える人がいます。
しかし、運営元である「株式会社はてな」にとって、「はてなブログ」は事業の根幹を担うサービスです。基幹事業であるブログサービスから、かんたんに撤退するとは思えません。
アフィリエイトは禁止されている?
はてなブログは2019年10月に「はてなブログ個人営利利用ガイドライン」を発表し、アフィリエイトを大幅に解禁しました。
芸能人のゴシップ、アダルトサイトや出会い系サイトにアフィリエイト広告を貼るのは禁止ですが、それ以外のアフィリエイトは原則OKです。

商品のレビュー記事やサービスの比較記事にアフィリエイト広告を貼っても、問題ありません
(実は別の問題がありますが、後述します)
Googleアドセンスの審査に通りづらい ⇨ はてなの無料ブログでもアドセンス広告を貼れる
独自ドメインを取得できない「はてなブログ無料版」だと、アドセンス広告を貼れないと発信する人がいます。しかし、まったくのデマです。
【参考】Public Suffix Listとトップレベルドメイン-AdSense for Platforms公式

はてなブログ無料版でも、アドセンス広告を貼っている人はいます。もっと、本質的な問題があります。
はてなブログで収益化が難しい本当の理由❶【稼ぐチカラが育っていなくても読んでもらえるから】
そのブログ、「お客さん」に読まれていますか?
はてなブログでは公式サイドが様々なSNSツールや企画を用意して、ブログ初心者をサポートしてくれます。
- はてなスター・・・運営者同士が「いいね!」の気持ちを伝え合う
- はてなブックマーク・・・他のブロガーの記事をブックマークして、みんなに広める
- はてなグループ・・・同じジャンルのブロガーがコミュニティに参加して、読み合う
- 今日のはてなブログ・・・編集部が、お気に入りの記事を公式サイトで紹介してくれる
はてなブログにはブログ初心者が挫折しないよう、あの手この手で“誰かに読んでもらえる”仕組みがあります。
この仕組み自体は、素晴らしいです。趣味でブログをやるなら、最高の環境です。

ところが、収益を目的とした場合は、逆効果です。過保護すぎるシステムが、“お金を稼ぐチカラ”を育てにくくしています
はてなで稼いでいる人は何が違うのか?収益化のための条件は?
はてなブログには、「読者登録」や「はてなスター」というシステムがあります。
- 読者登録・・・登録してくれている読者(≒はてなブログ運営者)の数が表示される
- はてなスター・・・運営者同士が「いいね!」の気持ちを送り合う、X(旧ツイッター)のような仕組み
「読者登録」はサイドバー、「はてなスター」は記事下に表示されます。目立つ場所に表示されるため、これらの数字ははてなブログ内においてある種のステータス”になっています。
多くのはてなブログ運営者は、仲間のブログに「はてなスター」を送ってお返しに「はてなスター」をもらおうとします。「読者登録」の数を増やそうとします。
ところが、「読者登録」の人数や「はてなスター」の数は、ブログ収益には1ミリも関係ありません。なぜなら、ブログ運営者は広告をクリックしてくれたり、商品を購入してくれたりする“見込み顧客”ではないからです。
同じ読者でも、“誰に読まれるか”で収益化は左右される
はてなブログで稼いでいる人は、SEOを勉強して、疑問が悩みがあってGoogle検索している人に向けて記事を書いています。

パン屋さんは、パンを食べたい人に向けてお店を開いているから、お金を稼げます。
タクシー運転手は、駅まで急いでいる人を送ってあげるから、お金を稼げます。

もちろん、ブログ仲間に読んでもらうのも嬉しいです。ただし、収益化を目指すなら、お金を落としてくれる“お客さまに読んでもらう”必要があります
◆ ブログが収益を生む仕組み ◆

誰かのニーズに合わせて記事を書かないとブログ収益は発生しませんし、ニーズを知っていても読者が求める水準を下回っていれば収益にはつながりません。
ですから、ブログで収益を得ている人たちはSEOやWebマーケティングを勉強して、あらかじめ読者のニーズを把握します。ニーズに応えられるようなクオリティの記事を書くために、扱うジャンルやテーマについても勉強を続けます。

「お客さま」を集めるためには、スキルや知識が必要です。とろこが、はてなでは勉強しなくても“誰か”に読んでもらえるため、稼ぐために必要なスキルが身に付かないのです
趣味でブログを書くなら、これで全然いいです。
しかし、収益を目的とするなら、「需要と供給の一致」を考えなくてはなりません。誰かの疑問や悩みを把握し、それを解決するために記事を書かなくてはなりません。
「読者登録」や「はてなスター」の数なんて、気にしている暇なんてないんです。
はてなブログで収益化が難しい本当の理由❷【はてなのコミュニティでは、嫌儲思想が根強いから】
2024年2月にGoogleアドセンスの仕組みが変わり、インプレッション報酬(=広告が見られた回数に対して収益が発生)がメインとなりました。今まで以上にPV数がアドセンス収益を左右するようになり、アクセスを集めやすい企業が断然有利です。
個人がブログで稼ごうと思ったら、少ないPVで収益を得られるアフィリエイト広告のほうが向いています。

しかし、はてなブログでは、アフィリエイト記事を書くのは極めて難しいです
はてなブログのコミュニティでは、アフィリエイトブログが極端に嫌われる
これは、2020年の話です。
はてなブログでアフィリエイト記事を書いている運営者(Aさん)が、別のはてなブログ運営者(Bさん)のある記事を紹介しました。ブログのカスタマイズに関する記事でした。
記事を引用されたBさんは、

お金もうけのブログに利用された!
と、烈火のごとく怒り出したのです。
「嫌儲(けんもう)思想」という言葉があります。日本では、ネットでお金を稼ぐ人に対して、過度にアレルギー反応を示す人たちがいます。
「嫌儲思想」の例が、アフィリエイトに対する嫌悪感です。
筆者はアフィリエイト記事を書いてみて、ブログ運営者の中にも「嫌儲思想」は根強いのだと痛感しました。
はてなブログお知らせレターに見る、収益化の難しさ【コミュニティは収益型ブログを歓迎していない】
はてなブログでは、2022年6月に公式サイドが「はてなブログ収益化攻略ガイド」というページを発表しました。おもにGoogleアドセンスの設定方法を解説したページなのですが、このページが公開されてから、運営側に対して多くの反対意見が集まりました。

はてなブログは「日記ブログ」と「収益型ブログ」、どっちの味方なの?
はてなブログでは、以前はアフィリエイトに厳しい規制がかかっていました。ただ、公式サイドはガラッと方針を変え、2019年10月より規約の範囲内でアフィリエイトが認められるようになりました。
しかし、昔から趣味ブログを運営したきた人の中には、公式サイドの方針転換に反発する人たちもいました。副業目的ではてなブログを始める人が増えて、
自分たちの畑を荒らされる
と感じた人も多かったのです。
また、アフィリエイトブログからはてなスターをもらうと、“自分が押し売りされている”と感じる人もいるそうです。

アフィリエイトブログにフォローされたくない。僕に売り込みしても、「絶対」買わないからな!

営業目的で、はてなスターを送っている訳じゃない。「いいね」の気持ちを伝えたいだけなのに・・・
アフィリエイトに嫌悪感を持っている運営者も多く、セールスの記事を書きづらくなります。このため、空気を読む人であればあるほど周りに気を遣って、収益化が難しくなります。
- ブログ仲間から嫌われたくないな。
- アフィリエイト記事なんて書いたら、ブログ仲間からどう思われるだろう?
いちいち気にしていたら、情報発信なんてできません。誰かに嫌われる覚悟を持たないと、はてなブログで収益化はできません。

目標の異なるブログ仲間と、どう距離感を取るか? さじ加減が本当に難しいです。
僕も7年間、それで悩んできました
WordPress(ワードプレス)には、コミュニティは存在しません。コミュニティからのアクセスは期待できませんが、コミュニティが作る“同調圧力”に左右されずに発信ができます。他のブログ運営者の顔色を伺わなくとも、セールスの記事を書けるのです。
はてなブログやアメブロの経験者向け!
WordPressの開設から初期設定まで、いっきに解説します。
はてなブログで収益化が難しい本当の理由❸【記事の装飾がワンタッチでできない】
2025年のいま、テキストばかり5,000文字も書いたような記事では、まずGoogle検索に引っかかりません。Google検索に引っかかるような個人ブログは、「ふき出し」「囲み枠」「リスト」「CTA」といった記事の見栄えをよくする機能(=装飾)をうまく使っています。

「ふき出し」
書き手が強調したいメッセージや体験談を、記事の途中に挟む
特に伝えたい情報をまとめ、枠で囲って目立たせる
◆ リスト(箇条書き) ◆
- あああ
- いいい
- ううう
これから伝える情報や手順を整理するときに使う
◆ CTA(行動喚起) ◆
サービスの購入や資料請求など、読者に何らかの行動を喚起するために使う
「リスト」ははてなブログの編集機能にあるので、すぐ作れます。
しかし、「囲み枠」や「CTA」をはてなブログで作るのは難しいです。
先輩ブロガーの誰かが公開している方法(CSS)を見つけて、「HTML」からコードを貼るのですが、設置に手間がかかります。
自分のブログのデザインと合わなかったり、大きさを調整するのが面倒だったりします。

WordPressなら、「囲み枠」や「CTA」も数十秒で設置できます。WordPressではテーマのデザインに合わせて「囲み枠」や「CTA」がもともと用意されており、色や大きさもワンタッチで変えられます。

「記事の装飾」がワンタッチでできるか? 手間をかけて設置するか?
WordPressとはてなブログで、筆者がもっとも差を感じる部分です。
【まとめ】はてなブログの収益化が難しい理由
- スキルがなくても読んでもらえることが仇となり、お金を稼ぐスキルが育ちにい
- はてなのコミュニティでは収益ブログが敬遠されるため、アフィリエイト記事を書きにくい
- WordPressに比べて、囲み枠やCTAボタンの設置が面倒である
SEOを勉強し、周りから浮いても気にしないメンタルがあるなら、はてなブログでも収益化はできます。
ただし、同じ労力をかけるなら、WordPressのほうがおすすめです。収益化を快く思っていないブログ仲間との軋轢に、余計なエネルギーを使わなくて済むからです。
筆者がWordPressを開設した2019年と違って、WordPressブログも始めやすくなりました。
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